東北で大津波に遭った被災者たち。その姿を、アルゼンチンの写真家が、津波の爪痕が残る被災地の風景とともに記録した。

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アルゼンチン人写真家が記録した ツナミの記憶

東北で大津波に遭った被災者たち。その姿を、アルゼンチンの写真家が、津波の爪痕が残る被災地の風景とともに記録した。

文=ジェレミー・バーリン/写真=アレハンドロ・チャスキエルベルグ

 2011年3月11日、マグニチュード9.0の巨大地震が日本を襲い、それに伴って発生した津波が東北地方の沿岸部に甚大な被害を与えた。東日本大震災による死者・行方不明者は1万8000人を超え、生き延びた人々の人生にも暗く重い影を投げかけたのだ。

 岩手県大槌町も壊滅的な被害を受けた。アルゼンチン人写真家のアレハンドロ・チャスキエルベルグがこの町を初めて訪れたのは2012年10月のこと。友人から大槌の惨状を聞き、写真で記録したいと考えたのだ。チャスキエルベルグは、町のあちこちにあるがれきの山に赤い旗が点々と立てられているのに気づく。それは、遺体が見つかった場所を示すものだった。

「白黒で撮影しようと決めました。あまりにも悲しいテーマでしたし、赤い旗のほかは、町に色がなかったからです」とチャスキエルベルグは話す。しかし、道端で水浸しになった1冊のアルバムを見つけて、はっとする。そこに貼られていた写真は水に濡れてにじみ、さまざまな色が混じり合っていた。水がしみ込んでできた、その色合いこそ、津波が作り出した色だとチャスキエルベルグは思った。

 この町を襲った悲劇を印象深い作品にしようと、チャスキエルベルグは動き始める。津波で破壊された自宅や職場の跡でポーズをとってもらえないかと町民たちに頼んだのだ。
 夜間に、黙って、動かずに。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年3月号でどうぞ。

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