2011年3月11日の東日本大震災から5年がたつ。東北の人たちの思いや移り変わる風景を、震災直後から現地を撮り続ける6人の写真家が伝える。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

東北の5年間 6つの物語

2011年3月11日の東日本大震災から5年がたつ。東北の人たちの思いや移り変わる風景を、震災直後から現地を撮り続ける6人の写真家が伝える。


 1月初旬、宮城県石巻市に暮らす37歳の会社員、木村洋介さんの案内で同市の南部を訪れた。

 石巻湾に面した平野に広がっていたのは、雑草に覆われた更地だ。ここ南浜町は、2011年3月11日の大津波に見舞われた後、火災で焼け野原になった。今はところどころで復興工事が進んではいるものの、町の大部分が更地のままになっている。

 木村さんは津波で自宅が床下まで浸水し、親戚を一人亡くしたが、被災から半年ほどで元の生活を取り戻した。

 10年ほど前から趣味で三陸の風景を撮っていた木村さんは、日々めまぐるしく変わる被災地の風景を「自分の記録として残しておきたい」と、震災直後からカメラに収めてきた。

 宮城県気仙沼市の旧南三陸シーサイドパレスがあった小泉海岸は、夏に友人たちとよく泳ぎに行った思い出の場所。震災から4カ月後に岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を撮影したときは、街の明かりがほとんどなく、夜空に天の川がはっきりと見えた。きらめく星を見上げては、震災で亡くなった人たちのことを思い浮かべたという。

 木村さんも含めて、特集に寄稿してくれた6人の写真家たちは、震災直後から被災地にレンズを向け続けてきた。ここに掲載したのは、東北でこの5年間に起きたことのほんの一部でしかない。それでも、6人の写真や文章からは、外の人間には見えない一人ひとりの暮らしや思い、生き物たちの姿が伝わってくる。

 一枚一枚の写真の裏には、そこに写し出されていない長大なストーリーがある。大切なのは、目に見えない感情や過去や未来を頭に思い描くこと、つまり他者を思いやることなのだと、6人の写真に教えられた。 (藤原 隆雄、日本版編集部)


下のタイトルをクリックすると、各パートの写真が見られます。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年3月号でどうぞ。

この号の目次へ

最新号

ナショジオクイズ

この男性はハイチの露天商ですが、何を売っているのでしょう?

  • 洋服のボタン
  • お菓子

答えを見る

ナショジオとつながる

メールマガジン無料登録(週2回配信)

メルマガ登録の詳細はこちら

ナショナル ジオグラフィック日本版 バックナンバー