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食べ物の味を感じるのは舌だが、「おいしさ」はもっと複雑な感覚だ。味、香り、食感といった感覚が脳内で統合されて初めて、豊かな快感がもたらされる。

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90億人の食 味覚の科学 「おいしい」と感じるのはなぜ?

食べ物の味を感じるのは舌だが、「おいしさ」はもっと複雑な感覚だ。味、香り、食感といった感覚が脳内で統合されて初めて、豊かな快感がもたらされる。

文=デビッド・オーエン/写真=ブライアン・フィンク

 食べ物か、それとも毒か。味覚は主に、それを見分けるために生まれた。脊椎動物は5億年以上前に誕生して以来、そうした味覚を発達させ、今ではすべての脊椎動物が人間と同じような味覚受容体をもっている。人間の舌には、甘味に反応する受容体はせいぜい1、2種類しかないが、苦味の受容体は知られているだけで二十数種類ある。人類の祖先にとっては、毒を避けることが重要だったのだ。

味覚研究の最前線

 食に対する関心が高まるなか、味覚研究の最前線も活気づいている。味覚は非常に精妙な仕組みをもち、そのメカニズムは視覚よりも複雑なことがわかってきた。ここ数年、味覚受容体とその形成にかかわる遺伝子の特定では大きな進展があったが、食べ物を味わう仕組みについては、まだわかっていないことが多い。

 現在、大半の専門家が認める基本の味は、甘味、酸味、辛味、苦味のほか、日本の科学者が100年余り前に初めて特定した「うま味」を加えた五つだ。うま味はしょうゆ、熟成した牛肉、熟したトマトや加熱したトマトなどを食べたときに感じる。近年では、ほかにもいくつかの味が基本の味として注目されている。そのうち脂肪とカルシウムの味は、それぞれに反応する受容体が舌にあるとみられ、有力な候補だが、まだ定説にはなっていない。

 脳には、味覚をつかさどる特定の領域があると考えられている。脳の「味覚野」という領域には、基本の味のそれぞれに特化したニューロン(神経細胞)の集まりがあるとされている。舌からの信号は、脳幹を通ってこのニューロンの集まりに送られる。そして脳の味覚野で、あるいはその途中で、それらの信号は複雑な感覚をつくり出す。

 通常この感覚は「味」という言葉で表現されるが、本当は「風味」と呼ぶほうが正確だ。食べ物を味わうときの感覚に舌の味蕾(みらい)が関与する割合は小さく、残りは鼻の奥のほうの嗅覚が生み出していると、米フロリダ大学の研究者リンダ・バートシャックは話す。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2015年12月号でどうぞ。

編集者から

 大嫌いだった食べ物を思いきって食べてみたら、実はそれほどまずくなかった、という経験はないでしょうか。私の場合は「みょうが」と「らっきょう」がそれに相当します。子どもの頃は決して口にしませんでしたが、大人になって何度か食べているうちに、すっかり平気になりました。
 苦い食べ物を嫌う反応は、植物の毒を避けるための本能だそうです。みょうがとらっきょうの場合もそれに相当するのでしょうか。子どもの味の好みというのは、生まれもった嗜好だけでなく、おなかの中にいるときの母親の食生活にも影響されるとのことで、もしかしたら母親の影響もあったのかもしれませんね。特集でブロッコリーを初めて食べて顔をしかめた赤ちゃんは、その後ブロッコリーを好きになったのでしょうか。気になります。(編集T.F)

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