聖母マリアが姿を現したという報告は世界各地で古くからあり、約2000件にものぼる。聖母出現の現場を訪ね、信仰の源泉を探る。

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聖母マリア 愛と癒やしのパワー

聖母マリアが姿を現したという報告は世界各地で古くからあり、約2000件にものぼる。聖母出現の現場を訪ね、信仰の源泉を探る。

文=モーリーン・オース/写真=ダイアナ・マルコシアン

 聖母マリアに祈りを捧げ、神への仲介を求める信仰は世界各地に見られる。人々にとっては堅苦しい教義よりも、母性愛、悲しみ、犠牲を象徴するマリアを通して信仰に触れ、奇跡を受け入れる方がたやすかった。

世界各地から寄せられる「聖母出現」の報告

 そんな聖母マリアの謎めいた存在感を増しているのが、世界各地から寄せられる、「聖母が出現した」という数々の報告だ。こうした体験をするのは、辺境や紛争地の貧しい子どもたちが多い。1980年代、ルワンダで3人の少女の前に現れた聖母マリアは大量虐殺が起きると予言した。フツ系住民がツチ系住民を襲撃し、多くの人々が殺害されたのは1994年のことだ。

 聖母マリアはキベホやボスニア・ヘルツェゴビナといった紛争地にも出現し、危険を警告したり、癒やしの象徴となってきた。聖母の出現をきっかけに、病や障害が癒やされた人はまさに奇跡と驚嘆し、精神的な癒やしを得た人々の数となると、もはや数えきれないほどだ。

 最近では、聖母マリアにまつわるビッグデータの収集と分析も行われている。米スタンフォード大学工学部出身で39歳になるマイケル・オニールは、古くは紀元40年までさかのぼる聖母出現の報告をデータ化し、ウェブサイト(MiracleHunter.com)で公開している。
 カトリック教会では約450年前、宗教改革に対抗して開いたトリエント公会議をきっかけに聖母出現という超自然現象を体系的に調査・記録するようになった。同サイトによれば、これまでに約2000件もの出現が報告されているが、そのうち地元の司教が信憑性を認めたのはわずかに28件、バチカンの承認が得られたものは16件しかない。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2015年12月号でどうぞ。

編集者から

 フランスの「ルルドの泉」は、さまざまな病気が治る奇跡の起きた地として、日本でも古くから有名です。しかしながら、ルルドのほかにも世界各地にこれほど数多く、聖母マリアが「出現した」という場所があることには、あらためて驚きました。
 聖母マリアがコーランに登場していることや、イスラム教徒のなかにもマリアを敬愛し、祈りを捧げる人々がいるということも、初めて知りました。信じる神は違っていても、信仰が互いを隔てるとは限らない…イスラム教徒とキリスト教徒が、同じ聖地で肩を並べて祈る姿に、少し救われた思いがありました。(編集H.I)

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