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昆虫の知られざる生態を解明すべく、中米コスタリカで調査を続ける西田賢司。現地で一緒に昆虫採集をした養老孟司が、若き研究者について語る。

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日本のエクスプローラー 西田賢司 未知なる虫を追いかけて

昆虫の知られざる生態を解明すべく、中米コスタリカで調査を続ける西田賢司。現地で一緒に昆虫採集をした養老孟司が、若き研究者について語る。

文=養老 孟司/写真=西田 賢司

 西田さんにはすっかりお世話になったままである。
 一昨年コスタリカに行ったが、その時に採集旅行の案内をお願いした。旅程から何から、すべては西田さんの言うがまま、官庁の許可関係もあなた任せ、完全なぶら下がり状態。虫採りの案内人がプロの虫屋なんだから、言うことなどない。首都サンホセのホテルで初めてお会いして、いかにもそういう人という感じ。どういう人って、要するにそういう人である。

 虫の好きな人というのは、それだけで許せる。それ以外に注文などない。何か注文したくなるのは、虫以外の話になったときで、そんなことはまあどうでもいい。

 フィールドに出るときの西田さんの姿がおもしろい。昔の旧制高校のバンカラ学生が、下駄を履いて、腰から手拭いをぶら下げている。それに似ているんだけれど、下げているのは手拭いではなくて、ビニール袋である。その中に虫が入る予定。たぶんケムシ。だって蛾の研究なんだから。蛾の子どもはイモムシ、ケムシである。
 このビニール袋は単に採集した虫を持ち運ぶためのものではない。西田さんは持ち帰った袋を、今度は部屋に張ったロープからぶら下げる。透明な袋越しに、四六時中、虫たちの生態を観察するのである。

 西田さんは都会向きではないかというと、そうではない。サンホセにあるコスタリカ大学では顔である。構内を歩いていると、「ケンジ!」と声がかかる。大学で昆虫の相手をする分野には、農学と理学がある。必ずしも仲がいいとは言えない。そういうことは万国共通で、ヒトにもむろん縄張りがある。そんなことを教わる。でも西田さん自身はそういうこととは無関係らしい。どちらにも連れていってくれるという。

 西田さんは大学のキャンパスのどこにどんな木があって、どんな虫がいるか、それもよく知っている。おかげで大学の中でも虫の採集ができる。ただのガイドではこうはいかない。こういうふうに自分の足元がちゃんと見えている人が、つまり専門家なのである。私はそう思う。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2015年5月号でどうぞ。

●「コスタリカ 昆虫中心生活」連載中!

コスタリカ 昆虫中心生活

編集者から

 田舎で育った私は、毎年、夏になると意味もなくカゴいっぱいにアブラゼミを捕まえ、カブトムシの集まる街灯の下で蛾と格闘。カマキリの卵を家に持ち帰り、知らない間にふ化した山のような小カマキリの行列を前に、親にさんざん怒られたクチです。西田さんも養老さんも少年の心をもち続けていらっしゃいますが、私は…さてさてどうでしょう。まだ赤トンボの目の前で指をぐるぐる回して捕まえることはできるか、今度挑戦しようと思っています。(編集H.O)

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