野生動物の撮影が難しいことは誰でも知っている。サバンナや海中で良い構図ができる時間は驚くほど短い。その瞬間が去れば、二度と戻ってこない。

 その一例が、「ナショナル ジオグラフィック日本版」2017年10月号に掲載されたバハカリフォルニアのクジラの写真だ。撮影者のトマス・P・ぺシャック氏はクジラの写真を撮り続けて20年になるが、クジラがボートに近づき、人間の手に触れられるのを楽しむ決定的な瞬間を捉えている。

 2017年9月号に掲載されたエイミー・ビターリ氏の写真も同様だ。ケニア北部にあるゾウの孤児院を訪れたビターリ氏は、みなしごゾウに水浴びをさせ、餌を与え、大人になるまで育てる飼育員たちの印象的な姿を記録している。

 今回、米ナショナル ジオグラフィックの写真担当編集長エリヤ・ウオーカーが、2017年のベスト動物写真を選んだ。「ディテール、光、構図、色彩のどれをとっても申し分ない写真を撮影できるだけでも驚異的です」と彼は言う。被写体が人間の力ではどうすることもできない野生動物や水中の世界であることを考えると、その驚きは増すばかりだ。

 日本版では未掲載の写真もあるので、心ゆくまで堪能してほしい。

文=Daniel Stone/訳=三枝小夜子