毎年、ユネスコは、美しい自然の景観から独創的な人工建造物まで、人類にとって顕著な普遍的価値をもつ文化遺産や自然遺産を世界遺産として登録している。

 しかし、嵐に襲われて景観が破壊されることもあれば、開発によって動物の生息地が奪われたり、武力紛争で地域社会が荒廃することもある。その結果、何千年もの時を経てきた人類共有の遺産は危険にさらされる。

 1972年に発効した世界遺産条約第11条4項によって、都市開発や観光開発、武力紛争、自然災害、放棄などのさまざまな脅威から保護する必要がある遺産が、「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に指定されている。その目的は、国際的な意識向上を図り、対策を推奨し、今後の被害を防ぐことにある。

文=Gulnaz Khan/訳=鈴木和博

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